闘病記4=再生医療編Part2=

ボクは「コーディネーター」になれるか!?
荏原病院に入院中、食堂にガンダム関係の本が数冊あったので久々に機動戦士ガンダムに接することになりました。ヒマでしたからねー。リアルタイムでは初代ガンダムしか観たことがないのですが、退院する頃にはZガンダムやその後のシリーズにも詳しくなってたりして♪〜( ̄。 ̄)ガンダムエースも売店で買いましたが、SEEDやDESTINYに「コーディネーター」って言葉が出てくるのですが意味がわからなくて。だいたいSEEDっていうのが「種」じゃないですか。不思議でねえ。
その謎が最近、アッサリわかってしまったうえに、自分と関係あることが判明してしまいました。
ガンダムエース2005年6月号に以下の記事が載っています。これはガンダムエース編集部が、SEEDやDESTINYの仕掛け人の一人であるMBS・編成プロデューサーの竹田滋氏にインタビューしたものです。

株式会社角川書店「ガンダムエース」No,034 P214より
報道の現場で感じていたこと

ーーー報道出身とお聞きしましたが
竹田 毎日放送に入社して大阪の社会部で警察周りを中心に、様々な事件を取材しました。その中でも当時一番興味を感じていたのが、科学技術関係の取材を通じて知った、“ゲノム(生物の遺伝情報全体)”というものの問題です。わかったことは、21世紀を牽引するテクノロジーというのは“ゲノム”であるということです。そしてそれよりも大切な事は、テクノロジーというものは増長し、タブーを破って、技術的に可能であるというだけでドンドン進んでいく。そこに人間の道徳観念とかやっていいことと悪いこととかの判断はないわけです。まさに“神の領域”に踏み込むことであり、それに対する問題提起がなされなければ、社会全体の判断もなされないまま、テクノロジーは先へ進んでしまう。そして、普通の人々が気づいた時には大変なことになっているかもしれません。SEED・DESTINY・鋼・そして今まさに放映がはじまったエウレカを製作する上で一貫して“テクノロジーの暴走”への警鐘が私のテーマです。
“ゲノム”問題を認識させるSEEDの世界観
ーーーそれはスタッフの共通認識なんですか?
竹田 SEEDの製作時に福田監督と「ゲノムセンター」に取材に行きました。そこでは92%まで人間と遺伝子が同じマウスを使った研究も行われています。取材後に監督が「現実のバイオハザードを見たような気がする」といったんです。人間ではできない実験をマウスで行い、データベース化された記録。これを利用して人間に投与できる薬を創る。科学者はその行為自体が仕事ですからいたって淡々と研究を進めていくのですが、我々にとっては驚異的な事柄が実験室という密室で行われているわけです。遺伝子を操作することがどういうことか、その是非が問われないままできることはやってしまうテクノロジーの暴走というものがおわかりいただけると思います。これをエンターテインメントの世界でわかりやすく説明するのが、“ナチュラル”と“コーディネーター”であり、是非を社会が判断する前に遺伝子操作が日常になった世界が、作品の舞台です。タイトルの“SEED”も“遺伝子”を意識しています。小さいときに観た番組で、なにか心にひっかかっている、そして10年15年経ち、大人になってはじめてわかるという体験が誰にでもあります。そういった“トゲ”として作品に込めたテーマです。

月刊 ガンダムエース 公式サイト
ガンダム SEED 公式サイト
ガンダム SEED DESTINY 公式サイト


鋼の錬金術師やDESTINYとゆー作品に、そういうテーマが込められていたとは!
数年後、ボクが再生医療で内耳を再生したあかつきには・・・ボクはコーディネーターと呼ばれるんでしょうか♪〜( ̄。 ̄)
“テクノロジーの暴走”を強調しすぎて不安をあおっている感じがしますが、再生医療には指摘されるような問題点もあるわけです。
2005年4月21日付産経新聞電子版に幹細胞、長い培養でがん化 欧州で確認、安全確保に課題という記事が載りました。他人事ではないから再生医療の問題点を考えないわけにはいかないわけですよねー。問題点を避けてバラ色に描いてみても、誰にもメリットはないもんね。“とにかく再生医療絶対推進!”というスタンスではマズイと思います。問題点を、人々が危惧している点を学び、場合によっては指摘もする勇気が必要だと思います。でも、それでもボクは内耳再生医療を積極的に推進していくことを続けていきます。問題点は踏まえたうえで、それでも内耳を再生し元の体を取り戻したい。どうしても取り戻したいから!
それにボクには急ぐ理由があります
みなさん、ボクの突難は今後悪化しないのでしょうか?突難は「原因不明」です。突難患者さんのサイトを見てると「悪化した」「再発した」という方がたくさんいらっしゃいます。突難の定義に「原因不明」とか「再発しないもの」というのがあるので、「再発」というコトバが不適切かもしれませんがそれはどうでもいいこと。今後、ボクがめまいがひどくなったら、左耳まで聴力を失ったら・・・働けなくなります。仕事ができなくなったら家族はどうなるのでしょう。左耳までダメになったら、身体障害者手帳をもらって役所からある程度お金をもらえるかもしれませんが、昔と違って時代は「自立自助」の方向に向かいつつあります。要するに弱肉強食の社会になっていくので役所の援助は今後は期待できません。仕事できないならできないなりの生き方をしていくしかありませんが、内耳が再生するのならまったく違った生き方ができるのです。妻子に必要以上の負担をかけることはなくなるんです。突難は特定疾患で原因の究明を急ぐ必要があり、厚生労働省や多くの人々が全力を挙げて特定疾患の解明と克服のためにがんばっています。心より敬意を表します。でも、原因と対策がわかっても、ボクら既存の患者の内耳細胞は再生しません。
だから、急いで内耳の再生治療体制が確立することを強く願うのです。
どんな結果であっても無駄ではなく価値がある
それから・・・例えば、結局安全性が確立できず、ボクが生きているうちには実現不可能だった。あるいは治療方法として確立はしたが、ボクには効果がなかった・・・そういうことはあり得ることです。可能性がないとは言えない。でも、そういう結果になったとしても後悔はしないし、諦めずにがんばり続けたことに誇りを持てる生き方をしたい。医学の、再生医療の進歩に少しでも貢献したことは事実として残るんだから。結果がどうであれ“医学や社会の進歩に少しでも役立てたんだ。家族のために精一杯の努力をしたんだ。自分のやってきたことは無駄ではなく価値があったんだ。生きてがんばってきてよかったんだ”と納得できると思うから。もともと誰も保証をしてくれることではないのです。でもどんなに困難な道でも、少しでも可能性があるならできる限りの努力をしてみる、それはどうしても追求していきたいことです。“実際問題むずかしそうだなあ、期待を裏切られたら嫌だなー”と思わないでもないですが、だからといって、諦めるとか他人におまかせって気にはなれない。なんせ、自分自身のことなんですからね!役所や研究者に“がんばってください。期待してます”と粘り強く話をしていくし、それ以外にも自分にできることがあればやっていきたい、心からそう思います。

しかし、再生医療関係のニュースにはよく出てきますね“神の領域”   あるんですかね?“神の領域”
ボクは神の領域と聞くとすぐに浮かぶ言葉があります↓
「神の領域―――そんなものが本当にあるのなら…全てをそこへ……還し…た…い」
「地球へ・・・」中公文庫コミック版3巻251ページ
ついに、地球にたどり着いたミュウ達。マザーコンピュータとジョミーのトップ会談が行われることになりました。その直前、地球政府代表のキース・アニアンから「S・Dはもともと人間にために創られたシステムではない 地球を中心にすえ 地球をよみがえらすためだけに 悠久の時と人の生命をつぎこもうとした 非人間的で当然なのだ 人間は"神の領域"に手をつけた …この戦いはその制裁だ」と言われたジョミーがキースに反論して言います。
神の領域、そんなものは存在しないのだと。そして「キ−ス 僕たちは同じ人間だ!!」と叫びます。神の領域などない、同じ人間同士が自分たちで考えて判断すれば、行動すればいいと言われてしまったキースですが、S・D体制のシステムに問題があるとはわかっていても、そのまま納得はできません。ですが、ジョミーから
希望……変えようとする意志−−希望にあふれる力……同時に哀しみ そして−−涙
を、キースは感じ取るのでした・・・
ボクは、“神の領域”というコトバを見聞きするたびに、すぐにジョミーの顔が浮かんできます。
“そんなものがあるのなら、全部還してやる!”と思います。そして、セキ・レイ・シロエの 「ぼくは…生まれてきたからには自分の意思で…自分の運命を選ぶと…決めていた」というコトバを想い起こして、“希望を、変えようとする意志を持って、自分の意志で自分の運命を選ぶんだ!”と誓うのです。いつもいつも・・・。

いま先端医療のルールという古い本を読んでいるのですが、様々な視点から問題点があげられています。この分野は進歩が激しいので、現在では多少改善されている点もあるのかもしれませんが。例えば“意外な点を指摘するなー”と思ったのですが、著者は医師会と弁護士会を比較して問題点を突いてます。弁護士会が強制加入団体で高度な自治体制にあり、問題を起こすような「身内」に厳しく懲戒処分を行う権限なども持っているのに対し、医師会は任意加入だし懲戒処分などは厚生労働省に「お任せ」してる状態をなどを批判しているのです。確かに弁護士会には「市民窓口」「紛議調停制度」「綱紀委員会」「懲戒委員会」などがあり利用者からの声に敏感で、懲戒処分(3ヶ月の業務停止とか)をくらうと最近は弁護士会が大手新聞に事案の内容を載せてしまうくらい厳しい対応をしてますね。ボクは、そこらへんの「改革」が、倫理とか安全制だけでなく確かに必要じゃないかと思いました。医者の対応についてムカツクことも多いからです。この本については、後日書いてみたいと思います。「再生医療編パート3」にするかなあ?
この本、全体的にはボクには難し過ぎる本でねえ。ちょうど息抜きにガンダムエースを開いてみたら“ゲノム”という言葉が出てきてびっくりしたという次第なのです(⌒▽⌒;)